「社会人になって初めてもらった初任給!……でも、募集要項に書いてあった額よりなんか少なくない!?」
そう思ったことはありませんか?
例えば「基本給23万円」と書かれていたのに、実際に口座に振り込まれた金額は「18万円ちょっと」。
「消えた約5万円はどこに行ったの!?」「もしかして引かれすぎ!?」と不安になりますよね。
結論から言うと、その差額は会社に誤魔化されているわけではなく、法律で定められた「税金」と「社会保険料」が自動的に差し引かれている(天引きされている)からです。
この記事では、社会人1年生のお金に関する疑問を解決するために、給与明細の正しい見方とお金が減る仕組みをポイントを押さえて分かりやすく解説します!
「額面」と「手取り」の違いとは?
まずは、給料にまつわる2つの超重要キーワードを押さえておきましょう。
- 額面(がくめん): 会社があなたに支払った「総支給額(給与の合計)」のこと。
- 手取り(てどり): 額面から税金や保険料が引かれ、実際にあなたの銀行口座に振り込まれる金額のこと。
一般的な会社員の場合、手取りの金額は「額面の約75〜80%」になります。
| 額面(総支給額) | 手取りの目安(約80%) | 引かれる金額の目安 |
| 20万円 | 約16万円 | 約4万円 |
| 23万円 | 約18.4万円 | 約4.6万円 |
| 25万円 | 約20万円 | 約5万円 |
つまり、額面が23万円の場合、毎月4万5,000円〜5万円ほどが何らかの形で引き落とされているわけです。では、この引かれているお金の正体は何なのでしょうか?
給与明細の3つのブロックを理解しよう
給料日に渡される「給与明細」は、細かくて難しそうに見えますが、実は3つのエリアに分かれているだけです。
- 勤怠(きんたい): 出勤日数や残業時間などの記録
- 支給(しきゅう): 会社からあなたへ支払われるお金
- 控除(こうじょ): 給料から差し引かれる(引き落とされる)お金
手取りの謎を解き明かすカギは、3つ目の「控除(こうじょ)」にあります。
「支給」に入るもの
基本給のほかに、残業をした分の「残業手当」や、通勤にかかる交通費「通勤手当」などが含まれます。これらをすべて足したものが「総支給額(額面)」です。
「控除」に入るもの
ここが今回の一番のポイントです。「控除」とは「差し引く」という意味の言葉。ここには、国や自治体、社会保険組合に納めるお金がずらりと並んでいます。
給与明細の一番下にある「総支給額 − 控除合計額 = 差引支給額(手取り)」という計算式によって、あなたの口座に入る金額が決まっています。
手取りを減らしている「控除」の正体(2つのグループ)
控除(引かれているお金)は、大きく分けて「社会保険料」と「税金」の2グループに分かれます。具体的に何にお金が使われているのかを見ていきましょう。
① 社会保険料(お給料の約15%)
社会保険料は、病気やケガ、将来の老後に備えるための「みんなの助け合いマネー」です。
- 健康保険料: 病院の窓口で健康保険証を出すと、医療費の自己負担が「3割」で済みますよね。そのための保険料です。
- 厚生年金保険料: 将来、高齢になったときや、万が一障がいを負ったときに年金を受け取るための保険料です。
- 雇用保険料: もし会社が倒産したり、退職して失業したときに「失業手当」をもらうための保険料です。
💡 知っておくと得する豆知識 健康保険料と厚生年金保険料は、実は「会社が半分、あなたが半分」支払っています(折半と言います)。あなたが払っている額と同じ分だけ、会社も裏で払ってくれているのです。
② 税金(お給料の約2〜5%)
国や住んでいる地域を維持するために払うお金です。
- 所得税(しょとくぜい): 個人の「所得(稼ぎ)」にかかる国の税金です。毎月の給料から概算で引かれ、年末の「年末調整」で正しい金額に精算されます。
- 住民税(じゅうみんぜい): あなたが住んでいる都道府県や市区町村に払う税金です。街のゴミ処理や警察、消防などのサービスに使われます。
【要注意】社会人2年目の6月に「手取りが減る」トラップ
ここで、社会人1年目のみなさんに絶対に知っておいてほしい注意点があります。
実は、社会人1年目の給与明細を見ると、税金の欄にある「住民税」が「0円」になっているはずです。
「えっ!住民税払わなくていいの?」と思うかもしれませんが、甘く見てはいけません。住民税は「前年の1月〜12月の稼ぎに対して、翌年課税される」という仕組みになっています。
- 社会人1年目: 学生時代(前年)の収入が少ないため、住民税はほぼ0円!
- 社会人2年目の6月〜: 1年目に稼いだ給料に対して住民税がかかり始める!
つまり、2年目の6月になると、突然毎月の給料から1万円〜1万5,000円ほど住民税が引き落とされ始めるため、昇給していなければ1年目より手取りが減ってしまうのです。
1年目のうちから「来年の6月からは手取りが少し減るんだな」と心づもりをしておくことが、賢い社会人の第一歩です。
まとめ: 給与明細をチェックして「お金の知性」を高めよう!
最後に、今回のポイントを復習しましょう。
- 手取りは「額面」の約75〜80%になる
- 減っている原因は「社会保険料」と「税金」の天引き(控除)
- 健康保険や年金は、会社が半分負担してくれている
- 社会人2年目の6月から「住民税」が引かれて手取りが下がるので注意!
毎月の給料日になると、どうしても銀行口座の「振込額(手取り)」ばかりに目が向きがちです。
しかし、給与明細の「控除欄」をじっくり見ることで、「自分がどんな社会保障に守られているのか」「いくら税金を払っているのか」というお金のリアルが見えてきます。
給与明細を捨てずにしっかりチェックする習慣をつけて、お金に強いかっこいい社会人を目指していきましょう!
手取り額や控除の仕組みが分かったら、次は実際にいくら貯金に回せるか計算してみましょう。無理なくお金を残すなら、余った分を貯金するのではなく『先取り貯金』が必須です!

全体の流れをもう一度確認したい方は『新社会人のお金ロードマップ』をご覧ください。
